こんにちは、お金に詳しい産婦人科医のDeppです。
研修医は2年間の初期研修を終えることで、晴れて専門の科に進むことができます。
新たな生活に慣れ、ようやく1年が終わろうとする頃、先輩のドクターたちが「確定申告」という言葉を口にするようになります。
今までは診療にのみ集中していればよかったのに、どうやら「確定申告」はやらないといけないことみたいです。
そしてなんだかめんどくさそうな雰囲気がただよっています。
確かに投げ出したくなる気持ちはわかります。
私も当時はそうでした。
しかし、確定申告をないがしろにしてはいけません。
なぜならしっかりと確定申告すればお金が戻ってくる可能性があるからです。
さらに確定申告はマネーリテラシーを磨く大チャンスでもあります。
安心してください。
このブログでは初期研修を終えたフレッシュ医師に、どこよりもわかりやすく丁寧に確定申告について解説します。
読めば絶対に確定申告ができるようになります。
今回は
- そもそも確定申告はなんなのか
- どうして医者は確定申告が必要なのか
- 確定申告はどうやってやるのか
- 確定申告はいつやるのか
について解説します。
確定申告をする上では大前提の知識になるので、いきなり確定申告に手を付けるのではなくここでしっかり勉強しておきましょう。
そもそも確定申告って何?
さて、2月になると医者の頭を悩ませる確定申告とはそもそも何者なのでしょうか。
一言で言います。
確定申告とは
所得税の帳尻合わせ
です。
私たちは働く対価として「給与」を受け取ります。
お金が動くときは必ず税金が関係してきます。
納税は国民の義務であるため、「給与」に対しても税金を払わないといけません。
普段は給与から所得税が天引きされていますが、足りなかったり払い過ぎた分の帳尻を合わせるのが「確定申告」なのです。
初期研修医や一般のサラリーマンは給与を一か所からしか受け取りません。
研修医はアルバイト禁止ですからね。
この場合、勤務先が「年末調整」という処理を行ってくれます。
年末調整はいうならば「確定申告の簡易版」です。
勤務先が私たちの一年間の給与から所得税を計算し、帳尻を合わせてくれています。
足りなかったり払い過ぎた分は12月の給与で調整されます。
これが年末調整です。
年末調整できるのは給与の大本が一か所の時だけです。
勤務先は自ら支払う給与に関しては把握できますが、他の勤務先からもらった給与については知るすべがありません。
所得税は1年間の給与全体に対してかかるので、すべての給与を合算して計算する必要があります。
つまり
2か所以上から給与を受け取っている場合は確定申告が必要
ということになります。
医師3年目になるとアルバイトや外勤などで給与を2か所以上からもらうようになるので確定申告が必要になるのです。
確定申告が必要な人
1か所からしか給与を受け取っていなくても、次のような方は確定申告が必要です。
- 給与の収入金額が2000万円を超える
- 給与以外の所得が20万円を超える
詳しく知りたい方は国税庁の「確定申告が必要な方」をご覧ください。
どうやって確定申告するの?
確定申告をするためには細かい税金の計算が必要です。
これを自分一人で一つずつ計算するのは現実的ではありません。
私が初めて確定申告をしたときは、確定申告ソフトの無料期間を利用しました。
ソフトで計算してから確定申告書に手書きで転記し、税務署に持って行って確定申告しました。
確かにこれは面倒くさかったです。
しかしそれは昔の話で、今は確定申告がかなり楽に行えるようになりました。
現在は確定申告の書類作成を国税庁のホームページで行うことができます。
令和5年分確定申告 個人の方で、確定申告をされる方はこちらのページをご覧ください。1 スマートフォンでの申告がさらに便利…
このサイトで必要な情報を入力すれば、自動的に計算されて確定申告書が完成します。
サイトで作成した確定申告書の提出方法は全部で3通りです。
- 印刷して税務署に直接提出(郵送)する
- e-Tax(マイナンバーカード方式)で提出
- e-Tax(ID・パスワード方式)で提出
「印刷して税務署に直接提出する」は読んだ通りです。
一番原始的な方法と言えます。
いちいち税務署に行き、必要書類をすべて提出する必要があります。
書類の確認に時間がかかり、混んでいたら並ばないといけません。
還付金の振り込みも申告から約1か月以上かかります。
はっきり言ってメリットは皆無です。税務署の社会科見学ができるくらいです。
「郵送する」という方法もありますが、これは郵送料がかかってしまいます。
続いて「e-Tax」ですが、これはインターネットで確定申告を完結できるシステムです。
わざわざ税務署に出向く必要も、列に並ぶ必要もありません。
必要書類の提出もいらないし、還付金も3週間程度で振り込まれます。
非常に便利です。
e-Taxで提出する方法はさらに2パターンに分けられます。
1つ目が「マイナンバーカード方式」です。
マイナンバーカード方式では「マイナンバーカード」と「ICカードリーダライタ」が必要になります。
パソコンでマイナンバーカードを読み取るための機械です。
スマホで代用できる機種もあるみたいですが、いずれにせよマイナンバーカードが必要です。
2つ目が「ID・パスワード方式」です。
これは税務署で本人確認書類を提示し、IDとパスワードを発行することで利用できます。
手続きは10分程度で終わり、ID・パスワードはその場で受け取ることができます。
税務署に行かないといけないというデメリットはありますが、一度発行すれば次の年以降も使うことができます。
以上が確定申告の方法ですが、個人的には「e-Tax(ID・パスワード方式)」を利用するのがおすすめです。
税務署に行くのは確かに面倒ですが、1回行ってしまえばそれでおしまいです。
税務署であればどこでも発行できるので、必ずしも住民票がある申告先の税務署である必要はありません。
私は去年もこの方法で確定申告しています。今年もそのつもりです。
少なくとも書類を直接提出するつもりであれば、その手間をID・パスワードの発行に回すべきです。
来年以降がグッと楽になります。
「マイナンバーカード方式」が使えそうな方はそれでもいいかもしれませんね。
確定申告の期限は?
確定申告の期間は、基本的に毎年2月16日〜3月15日と決められています。
開始日・終了日が土日や祝日の場合は次の平日になります。
この期間中に前年(2021年なら2020年1月1日~12月31日分)の確定申告をするということです。
還付を受けるための申告についてはこの期間を待たずに提出することができるので、1月に入った時点で確定申告することができます。
早めの提出であれば税務署も暇なので、還付金の振り込みが早くなる可能性があります。
まとめ
確定申告についてその概要を解説しました。
確定申告が何なのかはわかっていただけたかと思います。
昔と違い、現在は確定申告の方法が簡便化されました。
あとはやり方さえわかれば全然難しくはありません。
世の中には「確定申告の代行」というものもあります。
文字通り確定申告を代わりにやってもらうわけですが、相場は3万円~みたいです。
不動産の売買などで税金の計算が煩雑になる場合などはともかく、通常の確定申告は3万円払うくらいなら自分でやるべきです。
なによりせっかくのマネーリテラシーを学ぶ大切な機会を失ってしまいます。
機会とお金を失うなんて言語道断です。
冒頭でも述べましたが、このブログを読めば必ず確定申告ができるようになります。
最後まであきらめずに頑張ってついてきてください。