【iDeCo】運用の方法と運用中にやること【配分変更・スイッチング】

こんにちは、お金に詳しい産婦人科医のDeppです。

 

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なかなか長い道のりでしたが今回でついに完結します。

 

証券会社を選び、iDeCo口座ができたら運用を開始する準備は万全です。

あとは自分にあった商品(ファンド)を選び、運用を開始するだけです。

今回はファンドの選び方を具体例を交えて解説していきます。

また、運用中に必要になる配分変更・スイッチングについても説明します。

ここが最後の峠です。頑張っていきましょう!

この記事の内容

  • iDeCoのファンドの選ぶ時のコツ
  • 配分変更・スイッチングとはなにか

ファンドの選び方とポートフォリオ

投資信託の商品のことをファンドと呼びます。

ファンドには株式や債券、REIT(不動産)、コモディティ(純金)、バランス型といった種類があり、投資先を国内や国外から選ぶこともできます。定期預金という選択肢もあります。

この中から一つ以上のファンドを選び、運用していくことになります。

例えばこんな感じです。

この例だと

海外株式 40%

国内株式 30%

海外債券 20%

国内債券 10%

で運用を行うということになります。

あくまでも例ですので、パーセンテージを変更したり、ファンドの内容を変更することも可能です。

同じカテゴリー内で数種類のファンドを選択することもできます(海外株式である先進国株式+新興国株式など)。

 

このような資産の分配を投資の世界ではポートフォリオと呼びます。

先ほどのグラフはiDeCoのポートフォリオということになります。

ポートフォリオはiDeCoだけではなく所有する資産(貯金や株など)全体で評価するのが理想的です。

ちなみに現時点での私のポートフォリオ(全体)は次にようになっています。

現金 約75%

株式(日本株) 約15%

投資信託(主に海外株) 約10%

資産における株式の割合は100-年齢がよいとする説もあり、今後はもう少し株の勉強をして株式の割合を増やしたいと考えています。

自分のポートフォリオを確認する方法としては、以前おすすめした「マネーフォワード」という無料アプリが使いやすくて便利です。一目で資産状況を確認することができます。

 

本題に戻りましょう。

ファンドを選ぶ際は自分にあったポートフォリオを考える必要があります。

いくつか具体例をドラクエの作戦コマンドにのせて紹介していきます。

【ガンガンいこうぜ】リスクを許容してハイリターンを狙う

まだまだ余力のある若い人におすすめの方法です。私のポートフォリオもこれに該当します。

例えばこんな感じです。

何を隠そう、私のポートフォリオです。

債券といったファンドは保有しておらず、ハイリスク・ハイリターンなポートフォリオになっています。

まさに「ガンガンいこうぜ」です。

また、私はiDeCoでは日本株に投資していませんが、これはNISAで日本株の運用を行っているからです。

自分の全体ポートフォリオとの兼ね合いで国内株式をポートフォリオに織り交ぜるのもいいと思います。

60歳まで数十年以上あるのであればこのようなポートフォリオはありだと思います。

【いのちだいじに】リスクを最小限に抑える

リスクが怖い人はこのようなポートフォリオはどうでしょう。

株式ファンドは選択せず、債券と定期預金のみで運用するポートフォリオです。

あまり増えることはありませんがマイナスになる可能性はほぼありません。

定期預金に関しては全く増えないといっても過言ではないため、比率を下げてみるのもいいと思います。

60歳が近いのであればこのようなポートフォリオにシフトしていくのも賢明です。

【いろいろやろうぜ】バランス型でほったらかし

なにも考えずにいろいろやってみたければこのような方法もあります。

バランス型一色です。

バランス型を選択すれば何も考えずに国内外の株式から債券・REITなどに投資することができます。

バランス型の利点は後述するリバランスが必要ないということです。

面倒くさいのが嫌いな方にはおすすめのポートフォリオです。

運用中にやること【リバランス】

いくつかの例を紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

繰り返しになりますが、これはあくまでも例であり、ポートフォリオは文字通り十人十色です。

最終的には自分で最適と思えるポートフォリオを完成してください。

 
ぶたぶた君
ポートフォリオも完璧!あとは60歳を待つだけ!

 

ちょっと待ってください。実はそうはいきません。

 

このようなポートフォリオで運用を開始したとしましょう。

50%は海外株式でガンガン運用し、残りの50%は安全に保有する作戦です。

これらにそれぞれ1万円/月ずつ投資したところ、1年後のポートフォリオは次のようになりました。

海外株式の運用がうまくいったおかげで12万円が18万円になりました。

国内債券はプラスマイナスゼロで12万円のままです。

お金が増えたのは嬉しいですが、当初の50%ずつという比率は見事に崩れてしまいました。

安全に運用する予定だった国内債券の割合が減ってしまったのです。

 

長期間の投資を行っているとこのようなことが少なからず起こります。

このまま放っておいてもいいですが、時間とともに比率はどんどん崩れていく可能性があります。

この崩れた比率を元に戻すのがリバランスという作業です。

 

リバランスには配分変更スイッチングという方法があります。

配分変更

ファンドを購入する配分を変更する方法です。

購入する割合を海外株式25%(5000円/月)、国内債券75%(15000円/月)にしてみましょう。

1年後のポートフォリオはこうなりました。

国内債券の割合が少しオーバーしましたが、だいぶもとの比率に戻りました。

比率はきっちりもとに戻す必要はありません。どうせまた崩れてくるのでだいたいで大丈夫です。

この調子で配分を調整すれば適切なポートフォリオを維持することができます。

 

配分変更はじわじわともとの配分に戻す方法です。手間と時間はかかりますが手数料はかかりません。

スイッチング

ファンドを売買する方法です。

海外株式を3万円分売って、国内債券を3万円分買いましょう。

ポートフォリオは次のようになります。

それぞれが50%ずつになりました。もとの比率どおりです。

このように保有するファンドの売買をすることをスイッチングと言います。

配分変更よりも簡単そうですが、ファンドによっては売買による手数料(信託財産留保額)が発生するので注意が必要です。

リバランスのポイント

自分のポートフォリオを保つためには定期的なリバランスが必要です。

リバランスを行ってもいずれはまた崩れるので、頻繁に行う必要はありません。

1年に1回程度資産状況を確認し、必要があればリバランスを行えばいいと思います。

また、厳格に比率を調整しなおしてもいずれはまた崩れます。

個人的には10%以上崩れなければリバランスは不要だと思います。

そもそもリバランスは必須ではありません。各自でトライするかどうか判断してみてください。

ちなみにバランス型ファンドはこのリバランスを勝手にやってくれます。

「リバランスとかやってられん!」という方は無難にバランス型商品を選ぶのもいいと思います。

年齢ごとの運用方法

私は「ガンガンいこうぜ」で運用しているとお伝えしました。

しかし、60歳までこの作戦でいくつもりはありません。

いずれは「いのちだいじに」にシフトする予定です。

例を使って解説します。

私のファンドが次のように運用できたとします。

赤いチャートが資産残高、青い横棒がプラマイゼロラインです。

青い線より上で売却すればプラス、下ならマイナスになります。

上に行けば行くほど資産残高は高くなります。

下に書いてあるのがその時の年齢です。ここでは30歳から運用を開始したと仮定しています。

 

60歳まで「ガンガンいこうぜ」で運用した場合、資産残高がこの位置で売ることになります。

青線より上なのでプラスではありますが、もう2年早く売却していればより多くの利益を得ることができました。

58歳の時に売却できていたらベストですが、必ずしもそうできるとは限りません。

未来のことは誰にも予想できないからです。プロの投資家でも無理です。

 

私たちにできることは、ある程度のところで売却することです。

50歳ぐらいから自分の運用ファンドの動きを見るようにしましょう。未来は見えないのでこんな感じになります。

今売却すればプラスですが60歳まであと10年あります。

もう5年様子をみましょう。

多少の上がり下がりはありましたがまた上がってきました。

年齢を考えたら次に下がり始めたら売りです。

下がり始めました。売りです。

ベストには至りませんでしたが、こうすることでそのまま運用を継続するよりも資産を残すことができました。

 

この売るタイミングが「ガンガンいこうぜ」から「いのちだいじに」にシフトする瞬間です。

具体的には定期預金や債券といった安全性の高いファンドにスイッチング(配分変更ではない)するということです。

もちろん必ずうまくいくという保証はありません。失敗すればマイナスになる可能性もあります。

そうならないためにも50歳を過ぎたころからはファンドの動きに注意するようにしましょう。

今回の例では全資産を一度にスイッチングしていますが、何回かに分けてスイッチングしていくという方法もあります。少しずつ配分変更していくのもいいかもしれません。

 

また、新たに掛金を支払うことはできませんが、70歳までは運用を続けることができます。それも踏まえ、自分のリスク許容範囲内で運用してください。

まとめ

お疲れまでした。これでいったんiDeCoのお話は終了です。

  • 若いうちは「ガンガンいこうぜ」で運用
  • 1年に1回リバランスを検討
  • 面倒だったらバランス型一筋で運用
  • 50歳を過ぎたら「いのちだいじに」にシフト

 

 これを参考にしてiDeCoを始めてみてください。

 

どのようなファンドで運用するかはあなた次第です。

それぞれの特徴を理解することはあなたのお金の知識「マネーリテラシー」を大きく成長させます。

世の中にはこれ以外にも投資の方法がたくさんあります。

iDeCoを通してお金により興味をもっていただけることを願います。