こんにちは、産婦人科医5年目のDeppです。
前回はお金について勉強していく上で重要な機会損失についてお話しました。
まだ読んでいない方は是非一読してみてください。
こんにちは、産婦人科医5年目のDeppです。 前回の記事ではお金の知識を持つことの大切さについてお話ししました。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://deppfinan[…]
これで最低限の準備は整いました。これからはお金とふれあっていくことで知識を蓄えていけばオッケーです。
今回は給与明細の読み方(読影方法)について説明していきます。難しい言葉が出てくるかもしれませんが、気負いせずに読んでみてください。
社会人になりたての方の参考にもなるかと思いますので、興味があったら是非読み進めてみてください。
この記事の内容
- 給与明細の読み方をわかりやすく解説
お金との初めての出会い
社会人のあなたが初めて「自分のお金」と出会う場所は、ATMだと思います。
最近はネットバンクも流行っており、スマホの画面越しかもしれません。通帳に記帳するという従来の方法もあります。
いずれにせよ、あなたは自分が働いて稼いだお金を確認することで、初めて「自分のお金」と接触します。
初めての接触です。なんだかワクワクしますね。
しかし、ここで満足してはいけません。ほんの少しだけ踏み込んでみましょう。(何を隠そう、研修医時代の私はこれで満足していました…)
お金と出会って感じること
「自分のお金」と初めて出会ったとき、まずはじめに純粋な喜びを感じると思います。
初任給をもらってうれしくない人などいるはずありません。
続いて思うことは次のようなことではないでしょうか。
- 「結構入ってるな!」
- 「これだけしかもらえないの!?」
- 「まぁ、妥当かな。」
いずれかが当てはまるかと思います。
これは初任給に限ったことではありません。給料を確認するたびに、私を含め、誰もが上のいずれかを考えると思います。
「まぁ、妥当かな。」と思った方、素晴らしいです。自分のお金を理解している証拠です。理想的なお金との関係を築けているのかもしれません。
「結構入ってるな!」と思った方は素直に喜んでください。私もしばしば経験します。得した気持ちになり、嬉しいですよね。
「これだけしかもらえないの!?」と思った方も少なくないと思います。「もっともらえると思ったのにどうして?」と疑問を持つことはお金の勉強の中では非常に重要です。
好奇心は人を成長させる最高の起爆剤です。
どのように思ったかに関わらず、見えない何かによる陰謀によってあなたの給料が左右されているということを理解する必要があります。
見えない何かによる陰謀
陰謀と表現しましたが、これから悪の組織について話を進めるつもりはもちろんありません。
この陰謀は私たちが社会人として生活するために影で働いてくれている重要な存在です。
見えなければ陰謀かもしれませんが、見て理解すればそれは怖いものではなくなります。
そしてこれは隠されることなく、毎月私たちの手元にやってくる給与明細に明記されているのです。
給与明細の読影
さて、ここからが本題です。
給与明細に隠された陰謀を読影していきます。
医療における読影とは、CTやMRIといった画像検査を読んで疾患や診断を特定することです。
さっそく始めていきましょう。
画像検査結果(給与明細)の確認
当然ですが、画像検査がなければ読影はできません。
まず初めに自分の直近の給与明細を手元に用意してください。
知っている単語もあれば、よく意味の分からない言葉も記載されているかと思います。
画像検査の読影を行うとき、明らかな異常があったとしても、それを異常と判断できなければ診断をつけることは絶対にできません。そのためには異常と判断するための最低限の知識が必要です。
ただ眺めるのではなく、そこにある所見を”診断の眼”で見ていきましょう。
給与明細
これは私の研修医時代の給与明細です。
「私の」と言いましたが、研修医手当の金額だけは厚生労働省の平成23年度臨床研修医推定年収から算出しました。
(大学病院勤務の研修医1年次の年収より。興味がある方はこちらの『臨床研修病院における研修医の処遇』を参照してください。)
それ以外は実際の金額です。
研修医って給料少ないですね…(笑)
資料はそろったので読影開始です。
「支給」について
まず初めに左側の列に注目しましょう。
上段に「支給」と書かれています。
支給とは、文字通りあなたに支給される項目を意味します。ここに含まれる項目(今回の場合「研修医手当」と「宿日直 課税」)の合計があなたに給料として支給されたということです。
その合計金額が「支給額合計(266,181円)」であり、これがあなたの月収になります。
ATMで確認した給料の金額を思い出してみてください。なにかがおかしくありませんか?
その通りです。
あなたの口座に振り込まれる給料と月収は一致しません。
その謎を紐解いてみましょう。
額面と手取り
給料という言葉を細分化すると、「額面金額」と「手取り金額」に分けることができます。よく「手取り〇万円」とか聞きますよね。
額面金額とは勤務先から支給される金額の合計であり、これが月収になります。
すなわち
額面金額=月収
です。
1年分の額面金額を合計したものが年収になります。
これに対して、実際にあなたが「手」に「取る」のが『手取り金額』です。
先ほどの給与明細の右下にある差引支給額(178,813円)が手取り金額にあたり、あなたの口座に振り込まれた金額と一致するはずです。
少しややこしく感じるかもしれませんが、
額面=月収
手取り=実際に振り込まれる金額
とざっくり覚えておけば大丈夫です。
日常生活で額面を知らないと困ることはまずありませんが、お金を理解する上では知っておいて損はありません。
それでは、なぜ支給されている額面金額よりも手取り金額が少ないのかを考えていきます。
「控除」
左側の列の中段に「控除」と書かれています。
正直、私はこの言葉が苦手です。
なんだか実態がつかみづらく、私生活ではまず使わない言葉ですよね。
聞きなれない言葉かもしれませんが、お金(特に確定申告といった税金関係)を理解する上では切っても切れない存在です。
なるべく簡単に説明していきます。
控除とは、差し引くことです。天引きという言葉がわかりやすいかもしれません。
勤務先は、あなたが支払うべき金額をあらかじめ給料(額面)から差し引いてくれています。その差し引かれた金額が手取りになるわけです。
私の給与明細にある「寮費」や「水道料」がわかりやすいと思います。
家賃や水道料をあらかじめ給料から天引きしているため、私は家賃を振り込んだり水道料金を払いにコンビニに行く必要がないのです(もちろんこれは勤務先の寮に住んでいたからです)。
「寮費」や「水道料」はイメージしやすいですが、控除の欄にはそれ以外にも項目が記されています。目に見えない何かの陰謀たらしめる根源です。
これらについてはまた次回にお話ししたいと思います。
まとめ
今回は給与明細の読影方法を少しかじってみました。わかりづらい内容もありましたが、とりあえず
- 月収(額面)から控除された金額が手取り
- 控除:天引きすること
と覚えておいてください。
意識してお金と接したことで、あなたは間違いなく成長しています。給与明細を見ることすらしない同期と比べたら雲泥の差です。自信を持っていいです。
次回はさらに読影の知識を深めていきたいと思います。
お金とのふれあいを続けて、お金とより良い関係を築き上げていきましょう。